FEBC 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
FEBC(エフイービーシー)(正式名称:Far East Broadcasting Company)は、世界各地でキリスト教に関連した放送を専門に行う団体。スローガンは「信仰は聞くことから始まる。」(ローマ人への手紙 10章17節)。
FEBCの放送開始のきっかけは太平洋戦争が終戦を迎えた1945年、荒廃したアジアの人々のために祈りをささげようと決心したアメリカ人のキリスト教徒3人が中心となって、鳥小屋を改装したスタジオから第1回目のキリスト教の福音説教を放送したことに始まるとされている。
当初は中国・上海から放送を行うが、1948年に閉局し、その代わりとして1948年にフィリピン・マニラでKZASのコールサインでフィリピン国内向けの放送を開始。それをし乍ら、中国大陸へ向けた短波放送の準備・計画を進めた。
現在のFEBCはアメリカ合衆国に本部があり、大韓民国、フィリピン、サイパン、セーシェルなど全世界40の国・地域に放送局があり、地方言語を含め約150か国語で放送されており、各国国内向けと、周辺国向け国際放送を展開している。
日本では日本福音同盟の協力会員。 かつて沖縄県にあった極東放送(現在のエフエム沖縄の前身)も、もともとはFEBCによって開設された放送局であったが、1972年5月15日、沖縄県の本土復帰に伴い(日本の放送法では日本国内での宗教放送局の設置が認められていないため)、1973年宗教放送局としての機能は韓国の済州島に移され、亜細亜放送(HLDA、現:HLAZ)が開設された。
なお、アメリカ軍の在日駐在兵を対象に英語のディスクジョッキー放送を行っているAFNの前身「FEN」も直訳すれば「極東放送(網)」という意味になるが、FEBCとの関連はない。
「日本FEBC」(FEBC東京支局)の本部(事務所)兼スタジオは、当初、東京・御茶ノ水のお茶の水クリスチャン・センター (OSCCビル)にあり、このビルにはリスナーを集めてイベントを行えるやや広い会議室(ホール)があって年に1~2回の集い(「集まれ!FEBCの仲間たち」やクリスマスイベント)が行われた。KTWRのイベントもここで行われたことがあった。スタジオは1989年に東京都武蔵野市の現在の場所へ移転した。日本語放送はAMラジオ(コールサイン:HLAZ)とインターネット(2001年4月1日より開始):FEBC Online で放送を行っている。番組内容は全て宗教番組であり、毎週日曜日には礼拝の模様を録音した番組も放送されている。番組は基本的に独自制作のものであるが、日によって外部制作の番組も放送されている(木曜日に放送されている日本キリスト改革派教会制作の「聖書を開こう」など)。「TeaRoom」と呼ばれる無料の聖書通信講座(ヨハネによる福音書、ルカによる福音書、マタイによる福音書)も行なっている。
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